岩城宏之さんの思い出 [音楽]
先日新聞の記事に、指揮者の岩城宏之さんが病気の為お亡くなりになられたことを知りました。ここで謹んでご冥福をお祈りいたします。
岩城宏之さんとは別に友人でもなければ知人でもありません。しかし私には心に残る岩城さんの思い出があるのです。昔、岩城さんから「サイン」をもらった体験があるのです。
かなり昔になりますが、小学校5年の時に隣のクラスの友人からクラッシックコンサートに誘われたのです。その友人は音楽が大好きで毎年秋の校内演奏会では決まって「指揮者」をしていました。ピアノが得意でしかも格好よくて、、学年の女の子達から人気者!でした。私には彼は別の世界に住んでいる人の様でした。しかしなぜか私と気が合ってよく音楽の話をしたのです。私は当時はそんなに音楽は得意ではありませんでしたが、聴くのが大好きでしたのでその話題が友人と結びついたのでしょう。そんなある日、「コンサートに行こう。」と誘われたのです。
友人と行ったコンサートは「スクリーン・コンサート」つまり映画の名曲演奏会でした。私にとってクラッシックコンサートへ行くのはこれが初めてだったのです。座席はかなり前の方でした。拍手と共に指揮者の岩城さんが舞台に上がり、1曲目を演奏しました。その曲はパッへルべルの「カノン」でした。弦の響きを聴いた時私は鳥肌が立ちました。これが本当の音楽なんだな、、と感じたのです。
指揮は岩城さん、そしてNHK交響楽団、そして解説は荻昌弘さん(故人)でした。曲の合間に荻さんと岩城さんが映画についてのトークをするのです。話の内容は忘れましたが、冒頭に岩城さんがニコニコしながら「皆さんこんばんは、」と挨拶をしたのを覚えています。
さて最後にアンコールが終わり拍手が終わり帰ろうとしたのですが、友人が「サインをもらおう!」と言い出し、2人で楽屋へ行ったのです。手には買ったパンフレットを持って楽屋へ入ったのです。小学生2人がよくもまあずうずうしく楽屋に入って行ったものだと、今になって感じています。中へ入ると演奏を終わったばかりの岩城さんがニコニコしながら快く来ていた人達にサインをしていました。何人か私達の前に並んでいました。岩城さんは顔中汗だらけで、黒マジックを持ってサインをして1人1人に握手をしていたのです。
私の番になりました。岩城さんは私のパンフにサインをしてそして握手をしてくれました。温かい手の温もり、汗だらけの顔、そして机には指揮棒がありました。その指揮棒の端には大きなコルク玉が付いていましたが真っ黒になっていたのを見ました。握りとして使用していたのでしょう。汗で黒くなっていたのかもしれません。
私は嬉しくて「ありがとうございました。」と言いました。岩城さんもニコニコしながら「ありがとう。」と言ってくれたのです。「ありがとう。」という言葉を私に言ってくれた姿に心を打たれました。友人もかなり興奮していました。
その後の記憶は定かでありませんが、帰宅して私のニュースに両親がびっくりしたのを覚えています。
かなり昔の思い出ですが、決して忘れることはないでしょう。岩城さんのニコニコした顔が印象に残っています。改めて岩城さんに対して感謝の思いが込み上げてきます。
CDの紹介 「アルビノーニのアダージョ 、パッヘルベルのカノン」
バロック名曲集 パイヤール指揮 パイヤール室内管弦楽団
BVCC 37201 1700円
この「カノン」は何度聴いてもあきません。心が癒されます。
ステキな 音楽との出会いですね。こんな出会いがあると ずっと音楽を好きでいられると思います。
アルビノーニのアダージョ 、パッヘルベルのカノン・・・私も大好きです。
by bavitpoko (2006-06-20 04:16)
bavitpokoさん、そうなのです。振り返って見ますとこの出会いの
お陰でコンサートに行くのが好きになりました。
「カノン」を聴くと当時を思い出します。
by のび太 (2006-06-20 06:07)