車内にて

　　
　　　　　　　　帰りの電車（注　こちらでは路面電車を電車と言います）にカステラを持ったある小学生のグループが乗車しました。修学旅行で訪れるのでしょう。この時期は時々このようなグループを目にします。片手に市内の地図、そしてカステラの手提げ袋（黄色い）を持ちながら街中を散策する姿を見てこちらも何か嬉しい気持ちになります。いい思い出をたくさん作るんだぞ、、そんな言葉をかけたくなります。


　　　　何やら地図でどこへ行けばいいかと検討中。ああ、あの場所ね、、、そう思っていると一人のおばさんが「あんたたち、どこへ行くと？」　と質問。彼らの一人が「○○へ行きたいんですが」と答えます。すると「そこは、○○駅で降りるとたい。すぐに分かるけんね」と優しく教えてくれました。


　　　　こういう車内での光景は珍しくありません。困っている子供たちを見かけると誰かが声をかけてくれます。そしてその様子を眺めると心の中に温かさを感じさせます。


　　　　嬉しそうな子供達の顔を眺めながら、私は「大人になったらまたいつか来るんだぞ」と心の中でつぶやきました。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お土産のカステラ袋が光ってる　　憧虫