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カレル・アンチェル (チェコの指揮者) [チェコ]

  
  カレル・アンチェル、、彼はチェコを代表する偉大な名指揮者(故人)です。

  私はこの指揮者が好きで時々彼のCDを聴きます。以前はほとんど毎日聴いていたこともありました。何度聴いても彼の指揮から「温かさ」を感じます。それは彼の持っている人柄ではないかと私は想像しています。

  以前プラハを訪れた時知人のチェコ人に「カレル・アンチェルさんはどんな人でしたか。」と私は尋ねたことがあります。その人は私の質問に対して、じっと目をつぶり、「本当に偉大な素晴らしい人でした。非常に心が温かい人でした。私にとっては誇りです」と語ってくれたことを私は覚えています。知人は音楽関係の人でしたが彼を心から尊敬している印象を私は受けました。

  彼は波乱万丈の生涯を終えた人と言って良いでしょう。戦前チェコのプラハの交響楽団で指揮者を務めましたが、ここで思いもよらぬ出来事が彼に襲いかかります。

   ナチス、、世界史の出来事の中で忘れてはならない言葉です。彼は家族と共にナチスに捕らえられてあのアウシュビッツに送られるのです。そこでの体験は想像を絶するものでしょう。好きだった音楽、愛する家族と別れどんな辛い境遇に陥ったか考えると胸が痛みます。彼はその後助かるのですが、なんと最愛の妻子は収容所で虐殺されたのです、、。彼は「孤独」になってしまったのでした。収容所での体験、家族を失った苦痛、彼は人生に対して絶望していたに違いありません。

 彼に残された道、それは音楽を愛して活動を続けることでした。 
 
 いくつかの悲劇を体験しながらも彼は音楽活動を再開して、チェコを代表するオーケストラ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任します。意外にも昔日本にもチェコ・フィルと共に来日したことがあるのです。

  チェコでの活動は多くの人々の心を捉え感動を与えました。ところがまたここで思いもよらぬ悲劇が彼を襲うのです、、。

  この後の出来事は別の機会に書きたいと思います。手元にはあまり資料がないのですが、機会があればもう少し彼の人生を調べたいです。

   
   CD  ドヴォルザーク 交響曲第9番 「新世界より」
        カレル・アンチェル指揮
        チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 
        
       COCO 70499    1050円   コロンビアミュージック

 温かい印象を受けます。祖国への愛情が深く伝わります。
 


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